児童文学

【書評】思春期の男の子×余裕のある大人*へなちょこ探偵24じ

あらすじと感想

おもしろかったー
スイスイと読めました。

正直初めは
冷めた感じの
口の悪い主人公・
小学5年生
矢間鯱彦(やまし ゃちひこ)
いい印象を持てなかったけど

読み進めるうちに
彼を好ましくなりました。

根は悪くない
むしろ精一杯
今の環境で生きている。

大人になる前の
モヤモヤ
ムシャクシャを
素直に表せているだけでもいい子だ。

変に曲がってない。

そんな鯱彦(しゃちひこ)を
広く受け止めている(?)
<探偵事務所の所長兼探偵>
廿余寺れいじ(にじゅうよじ れいじ)

夢水清志郎を思わせる
スラリとして飄々とした雰囲気。

考えていないようで
サラリと事件を解決してしまう頼もしさ!!

世の中を嘆き始めた小学生

その世の中をヒラヒラと
楽しんでいるような大人

出会いから
防犯教室
捜査相談
万引き騒動
ひったくり事件

様々な事件を通して
色々な大人と出会い
知っていく広い世界。

まだまだ二人の物語は続いてほしいな。

おはなしの最後でわかった
廿余寺れいじ(にじゅうよじ れいじ)さんの
本当の?姿!!

これからの二人の関係も気になるー

それに廿余寺れいじ(にじゅうよじ れいじ)さんの作るお菓子も
まだまだみてみたいな!
*子どもたちには
鯱彦の尖ったとこだけでなく
まっすぐな正直な所
他者を認められる所
にも注目してほしい。
尖ったところだけをマネして
ほしくないな…*

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私が子どもたちに対して
常々思っていることの一つに

学校が世界の全てではない。

ということ。

学校はもちろん大切・大事。
義務教育として大きなもの。

だけど

そこだけではない世界を持っていることが
自分広くする。大きくする。
そして救ってくれる。

矢間鯱彦くんは
そこを見つけた。

本当によかった。

現実にはそう簡単に
都合のいい居場所なんでみつからない。

と思うかもしれないけど,

学校と違う世界ということであれば
それを持つことはそう難しくない。

スポーツ少年団
習い事
部活
祖父母の家
公共施設

それこそ
読書なんて
すぐに新しい世界を与えてくれる。

私は
中学生の頃
友人関係が息苦しくて仕方がなかったです。

(今でもいい友人たちですが
若さゆえのノリについていくのに必死だったりで…)

そんな息苦しさを感じる日々の中

休日には
バスにのって
一人で行く市立図書館へ行っていました。

その一人の時間に
とても救われました。

自分を侵食されない場所があるということが
大きな心の支えでした。

へなちょこ探偵24じ読んでいて
そんな昔をちょっと思い出しました。




童心社 >
『へなちょこ探偵24じ』
へなちょこ探偵24じ
作:齋藤飛鳥
絵:佐竹美保
装丁:丸尾靖子
2015.11.15



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